人の価値ってどんなところにあるのだろう。
「これから生きていく上で、その考え方はいけない、敬意を払わな毛rばならない。」「そのような経済感覚では、いずれ立ち行かなくなるよ。」「誰かとともに生きていくことを決めたとき苦労することになるよ。」「周りの家族のことも考えて我慢することも学んで欲しい。」と思い、厳しく叱りました。
叱った後は、自分も、相手も嫌な雰囲気になります。引きずらないようにと思うのですが、なかなか難しい。それなりに自分で考えて、自分の力で生活を成り立たせてきた実績と実行力がある人です。それは認めた上で、自分勝手な考え方を諌めようとしたのですが。この1週間ほど、ぐずぐずと心に引っかかり明るい気分にはなれずにいました。
「blank13」という映画を見ました。博打により多額の借金を抱え家族に壮絶な苦労をかけ死んだ父親の葬儀、それと比べられるように描かれる隣の寺でのよく似た名前の赤の他人の葬儀。金を所望し家庭を顧みることのほとんどなかった父親について、数人の参列者が父親との思い出を語り出す。葬儀に相応しい内容でもなく、美化するでもなく、家族が知らなかった父親像を、それぞれが自分の言葉で語り出すのです。交流のあった決して社会的に立派とは言えない人々があたたかなエピソードで、家族が渇望していた父親像を描いていくのでした。隣のお寺での葬儀には、参列者は多いものの、故人の人物像を語るでもなく、想いを馳せるでもなく、挙げ句の果てには、参列者の中に泣きのサクラを雇うほど。
人として生き方…、何か大切なものの輪郭が、ぼんやりと現れてきたように思いました。
ただいるだけでありがたいはずの家族。生きているという価値。人を思う気持ち。優しさ、思いやり。
僕にも自己中心的なところが抜けきれていないのでしょう。まだまだ未熟です。今日も素晴らしい映画に出会えました。リリーさんは、こういう役ははまり役ですね。
読んでいただきありがとうございます。皆さんにとって良い1日でありますように。