言葉が通じないこと、分かり合えないことが恐怖

誰でも1度や2度の生命の危機を感じるほどの恐怖を感じたことはあるでしょう。実は、僕もあります。

幽霊などは、怖くてたまりません。が、霊感は全くないので、見たことがありません。怖いなぁとは思いますが、経験がないので、わかりません。

僕が恐ろしいほどの恐怖を感じるのは、ケモノ

今まで何度かケモノに遭遇してきました。フライフィッシングで、沢を登っていたときに対岸からこちらを眺めるシカがいました。殺気は感じませんでしたが、向かってきたらひとたまりもないだろうことは容易にわかりました。恐ろしさから、目線を外さないようにそろりそろりとその場を離れました。

仕事帰りに夜道を歩いていると、数匹のシカが僕の気配に気づいたのか近くを一斉に走り去りました。向かってこなかったものの、いつまた引き返し向かってくるかと想像すると身の危険を感じました。暗くて視界が悪いことも恐ろしさを増大させました。

また、別のある日。残業で遅くなり9時過ぎに歩いていると近くの藪からこちらに、バキバキバキッと枝を折りながら何かが近づいてくる足音がありました。姿は見えません。これまでは、シカでした。シカはおとなしいイメージがあります。シカが道路で轢かれて、横たわっている姿も何度か目にしました。自動車を世話してくれた方は、「シカたちは本当に強いよ。普通車とぶつかったら、車が負ける。道路で轢かれて倒れている鹿は、あれは2tくらいのトラックにぶつかった鹿だね。」なんて言っていたのを思い出しました。シカでさえ、怖いのです。強いのです。ものすごい牙を持つイノシシだったら、凶暴な熊だったら…一瞬で妄想が膨らみ、立ちすくみました。「やばいっ。」立ちすくむとはこういうことか…とわかりました。お互いに気配を感じ取るのに一生懸命です。なんとなくですが、おかしな動きをしたら、襲われそうな気配さえ感じます。思い込みにすぎないかもしれませんが。

藪から少しでも離れたところを、そろぉりそろぉりと殺気や恐怖を出さないように、無で静かに歩きました。追ってくる気配はありません。灯りのあるところは、ホッとします。街灯のありがたみを痛いほど感じました。ここまでくれば大丈夫だろう、そう思えたのでした。

人間にも恐ろしい人はいます。煽り運転にあったこともありました。テレビや動画サイトで見たのと同じような煽り方でした。急にブレーキをかけ、身を乗り出してアピールし、後方に回ってさらに蛇行運転で後方から煽りを続けられました。こわさもありましたが、比較的冷静で、こうされたら警察に電話すればいいなとか、怪我だけはしないように気をつけよう、とかドライブレコーダーに映っているから正しいことをしようなどと考えました。「おぅおぅ、そっちがその気ならやってやるぞ!」みたいな怒りの感情も出てきましたが…。まぁ、あの煽り運転手は、自己顕示欲が強く、ガラスのようなか弱いプライドの人なのだろうなと今は理解できます。何か僕の運転が気に入らなかったのでしょう。だから、あおり運転などをしてしまった。

けれど、一番怖いのは理解できないケモノです。何をしてくるかわからない。「ちょっと待って。話し合おうよ。君たちは、何がしたいの?何か君たちをイライラさせてしまったら謝るよ。」なんて言葉は通じません。野生の強さも持っている。僕のような人間は一溜まりもない。そして見えない状況は、恐怖をより一層強くします。見えないこと、理解できないこと、言葉が通じないことが恐怖を増幅させるのです。

「あぁ、人間としてまだまだ小さいなぁ。動物の心をわかるような理解できるような広い心を持ちないよ。決して人間性の良い人を動物たちは襲ったりしないよ。その動物の思いの解釈ははね、ただ単に君の思い込みだよ。」

そんなことを言われそうです。恐怖の理由と共に、自分の小ささを感じた経験でした。

今日も読んでいただきありがとうございます。良い1日になりますように。

タイトルとURLをコピーしました