1週間で100㎞、無理なく走れる
自転車通勤はオススメです。ロードバイクが好きな方々は、週末ライダーとして、1日に70〜100キロほど走っているのではないでしょうか。僕は、片道約10キロの道のりを往復で20キロ、平日5日で100キロほど走っていたことになります。ジョギングでもそうですが、週末に走りたくても雨天で…、とか路面が濡れてて…などの悪条件で走れないのは結構ストレスが溜まります。だからこそ普段から自転車を使って、雨天でも通勤に使用するのは、自転車好きにはいいのではないかと思います。
ただ、やはりリスクはつきものです。僕が自転車通勤で経験した最大といってもいい事故についてお伝えします。
吹雪の2月上旬、薄暗い時間帯のことです
僕にとって、スケジュール帳は、仕事からプライベートまでを計画し記録するために必須のアイテムです。3月始まりのスケジュール帳を好んで使っています。どうやら次年度の3月始まりのスケジュール帳が販売されたという情報が入ったので、帰り道の途中でお店によって購入することにしました。普段とは別の道を漕いでいました。ネックウォーマーやグローブ、ハンドルカバーなどの防寒対策はバッチリです。吹雪いていますが、それほど寒くはありません。ヘルメットをかぶり、あご紐を締めて、ペダルをこぎ進めました。風が強く吹雪く日で、時折視界が真っ白になりました。
目の前に車止めが!
普段通らないけれども、通ったことはある道を、自転車で進んでいると、風が強くなり吹雪で視界が遮られました。そんな時は、止まるべきなのでしょう。僕は、止まらず、自転車を漕ぎ続けました。視界が開けた瞬間、目の前に、車止めが現れました。「あぁっ!」とブレーキをかける間も無く、前タイヤが車止めに突っ込んだのでした。スピードは出していないとはいえ、自転車を漕いでいたので勢いはついています。自転車が車止めで固定されてしまっていたので、体が前に投げ出されました。地面に突き刺さるように頭を打ちつけ、そこを起点に仰向けの姿勢で、カバンを背負っていた背中から、地面に叩きつけられました。
ヘルメットをかぶっていなかったら…
全て幸運だったと感謝しています。もしもヘルメットをかぶっていなかったら、生死に関わる事故になったことでしょう。頭を打ってしまっていたので、意識があったかどうかわかりません。吹雪いているような2月の寒い夜道でしたから、人通りもない状態で、そのままでかなりの時間を過ごしたことでしょう。地面に叩きつけられましたが、カバンを背負っていたため大きな怪我をせずにすみました。こういうことを僥倖というのでしょう。
頭を打ち、体を叩きつけられて、しばらくしてから意識が回復し、体を動かせることを確認しました。動かせはしましたが、指やら太ももやら体のいろいろなところが痛みました。自転車を見に行くと暗い夜道でしっかりとは見えませんでしたが、はっきりいえるのは、動かないということでした。タイヤのホイールが曲がっていました。フロントのフレーム部もぐにゃりと曲がっていました。タイヤが回りません。チェーンも外れています。自転車を押して動かすことは、不可能でした。
さて、どうしよう
動かなくなった自転車を放置して、一度帰宅するか。帰宅するにも、バスも何もこの辺のことはよくわかりません。諦めの悪いことに、こんな時にも、スケジュール帳を何とかして買えないかなぁという思惑も浮かんできました。すぐ無理だと諦めましたが。家族に電話をして、車で迎えにきてもらうか。自転車を抱えて、自宅まで約9㎞を歩くか。
結局僕が選択したのは、自転車の前輪を上げたままで抱えるようにして、購入した自転車屋に持っていき、お店に修理を依頼して、そのまま自転車を預かってもらい、近くのバス停から帰るというものです。購入した自転車屋は、2キロメートルほど離れていました。が、その近くにバスターミナルもあったので、そこから帰れると考えたのです。
自動車からの視線が…
吹雪の2月の夜道に、通常ではあり得ないような不自然に壊れた自転車を抱えて、服も汚れたおじさんが歩いてい流のです。はたから見ていませんが、どう考えても不自然です。僕自身としても、この時の自分を見てみたいと思います。よほどなかなか日常生活で見かけることのない様子だったことでしょう。せめて自転車だけでも写真に撮っておけばよかったと後日思いました。自動車の視線が、こちらにバンバン向いているのを感じました。「そりゃぁ、見たくなるよなぁ。」よく見ると自転車がぐにゃりと曲がっているのです。こりゃ何かやったな。と思われていることでしょう。まぁ、仕方ない、そう割り切って、体の痛みと突き刺さるような気がする視線と戦いながら、自転車屋さんへ向かいました。「閉店していたら、仕方がない、店先に置かせてもらおう。開いていたら、ありがたい。」2キロほどの道のりをカバンを背負い、自転車を抱えながら歩くのはかなりきついものです。指や足のいたるところも痛みます。それでも、こうして意識があり体が動くことへのありがたさも感じながら、歩を進めました。
まだ店が開いていました。店主には驚かれました。必要なパーツは、全て交換する方向で考えたい、明日にでも見積もりを教えて欲しい。そんな旨を伝えて、バスターミナルへと向かいました。
普段通らない道を帰ったこと、視力の低下を考慮に入れていなかったこと(加齢とともに特に当体視力が顕著に落ちています。慢心していたつもりはありませんが、もっと気をつけるべきでした。)吹雪いていたとはいえ、周囲に不注意だったこと・よく見ていなかったこと…、様々な失敗要因が挙げられます。
ほんの少しの不注意で、目的は達成できなくなります。より良い時間を過ごせなくなります。安全に気をつけること、注意深くいることが大事だと学びました。
ただ、防寒対策をしっかりとしていたこと、ヘルメットをかぶっていたこと、バックを背負っていたことは、幸いしました。特に、ヘルメットの大切さを身にしみて感じました。今でもヘルメットをかぶっていなかったら、多分…と思い、ひやりとすることがあります。ヘルメットは、自分の頭に合ったもので、多少高価でもしっかりしたものを購入した方がいいと思います。たまにロードバイクに乗るノーヘルの若者を見ますが、こちらが怖くなります。僕は、あれ以来特にもヘルメットはしっかりかぶります。
自転車通勤には、リスクもあります。が、用心に用心を重ねて、自分自身の現状を把握して、安全対策や気候に合わせた装備をしていれば、大抵のものは回避できるように思います。
読んでいただき、ありがとうございます。良い1日になりますように。