フライ フィッシングのススメ

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「心に傷のある人は、釣りを好む」と聞いたことがあります。

僕がそうだとは言いませんが、僕は釣りが好きでした。小さい頃は、近所の工事後のくぼみに溜まった雨水の池で、釣り糸をたれて夢想していました。釣れるはずもないのに。夢を見ていたのでしょう。心の傷がそうさせたのかもしれません。

僕は「自分の能力でやれたんだ。」と思えるような行為が好きです。パチンコにハマったことがありましたが、「これってだたの運だよなぁ。」そう思い、負けが込んできたこともあって自然に足が遠のきました。その頃にフライフィッシングを始めたのです。エサ釣りよりも、自分が作った疑似餌(毛針・フライ)で、自分のキャスティング技術により、目に見えている、または魚がいる場所に流し、魚のライズを導く。魚が目の前で自分が巻いたフライに飛びつき、くわえる。魚の生きる力とやりとりをしながら釣り上げる。美しい魚体を眺める。そして、傷つけないようにそっとリリースする。感謝をして。(バーブレスフック(返しのない釣り針)を使っていました。

フライは、釣れても釣れなくても全て自分に返ってくる。生命のやりとり、生きるものの美しさ、自然の偉大さを感じさせてくれます。生きているという感覚を満たしてくれます。

また、フライフィッシングは、タックルが複雑で、技術の必要な釣りです。風が強かったり、濃い茂みの中だと毛針が木の枝に引っかかり、また水面を叩いてしまって釣りにならないなんていうことはよくあります。
僕の激情、そして短気さは、そんな時イライラしてロッドを折り、叩きつけたい衝動に駆られたものです。「ここでタックルを失ったら…」フライフィッシングの楽しさが、その気づきに導いてくれたのだと思っています。気持ちを整え、絡まった毛針を落ち着いて丁寧に外し、絡んだラインやティペットを解いて、またはフライを付け替えて、静かにキャスティングする。
それを繰り返すうちに、激情や衝動の損加減を体感し学んだのです。

イライラしても良いことはない。判断力は鈍るし、モノも失う。トラブルに冷静に対処すること、良いパフォーマンスで生きることの大切さをフライフィッシングは教えてくれます。

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